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株式会社ソフト・ボランチ
「新時代の賃貸不動産経営をASPで支える仕組みを提供」
 2006年WEDGE 8月号掲載
 
「所有と経営の分離」が進む賃貸不動産市場では、物件の価値を高める戦略的な経営へのニーズが高まっている。投資家である企業の投資対象は、個別の物件ではなく複数の不動産を取りまとめた「ファンド」に移行しつつある。このような現状で、賃貸不動産のいわば経営を請け負う不動産業者のシステム化の課題は、単なる日常業務の効率化だけではなく、オーナーに対する迅速で的確な状況報告と、不動産の価値を高めるための戦略的な提案、さらにはファンド全体に対する投資対効果の最適化までが求められる。こうした新しい時代の課題に対応するのが、株式会社ソフト・ボランチの「PMVolante」シリーズである。
 
●経営的視点が求められる賃貸不動産市場の新たな流れ
 
企業の不動産投資のあり方が変わりつつある。バブル崩壊後、不動産の値上がりによる差益が確実なものではなくなり、売るに売れない不動産を抱えた企業は、「不動産運用」に目をつけた。不動産を直接保有せずに、複数の不動産を組み合わせた「ファンド」に投資し、ファンドに含まれる不動産の運用益をリターンと考えるというものだ。多くの場合、ファンドに含まれる物件の運用管理は、ファンド組成者から不動産経営のプロである不動産業者に委託される。企業の投資対象であるファンドは、入居者をつけて家賃収入を得るという従来の管理業務だけでなく、その価値を維持し、高めるという戦略的な経営が求められる。例えば住居用賃貸マンションであれば、定期的な修繕計画で外観や共用施設を常に美しく保ったり、インターネット接続サービスの導入で付加価値をつける、などがあげられる。こうした視点で物件の維持管理と、投資家である企業の会計のフォーマットに合わせた収益管理を行うのが、プロパティマネジメントである。
●プロパティマネジメント業務に特化したシステムを提供
 
今回ご紹介するソフト・ボランチは、プロパティマネジメント業務を含めた賃貸不動産総合管理システムを提供している。「前職でもプロパティマネジメントシステムを手がけていたのですが、より使いやすいプロパティマネジメントシステムを開発したいと考え、会社を立ち上げました」と同社の藤本淳二代表取締役は語る。社員の約70%が不動産業務の経験があるSEで「不動産業務とシステムの両方を熟知した人材」が大きな強みだ。2003年5月に発売した最初の製品「PMVolante」は、プロパティマネジメントの業務に特化したユニークな製品だった。プロパティマネジメントという新しい課題に対応するための業務システムを、不動産業者向けに提供していたのだ。「ところが、実際にシステムの販売を始めてみると、家賃回収や契約管理などの日常管理業務もまとめてシステム化したいという声が予想以上に多いことがわかりました」(藤本氏)。こうした声に応えて2005年5月に発売されたのが、プロパティマネジメントに加えて日常管理業務もカバーした次世代不動産管理システム「PMVolante for RealEstate」である。
 
●環境の自由度と軽さを評価してSQL Anywhere Studioを採用
ソフト・ボランチでは、PMVolanteの開発時からデータベースエンジンにアイエニウェアの「SQL Anywhere Studio」、アプリケーション開発ツールに「PowerBuilder」を採用した。技術的な観点から見た大きな理由は、ユーザーの環境に左右されにくい点だ。「VisualBasicでは、一緒に動作するエクセルのバージョンが違うとうまく動かないなど、細かいところで環境に依存するという問題がありました」(専務取締役 柘植政宏氏)。データベースの動作が軽く、セットアップが容易であることも評価のポイントだった。ユーザーに対するカスタマイズやサポートを全て自社内で行っている同社では、頻繁にユーザー環境にあわせた開発マシンのセットアップが必要になる。そうした作業が手軽にできることも魅力だ。もう一つの理由は、価格とライセンス体系である。「SQL Anywhere Studioは、組み込み販売やライセンス販売が可能な料金体系になっているので、製品を売るたびにデータベースを仕入れて販売するという手間が不要な点は大きなメリットでした」(柘植氏)。
 
●Appeonを利用してわずか3人月でASP版を開発
現在、ソフト・ボランチでは、PMVolante for RealEstateのASPサービス提供開始に向けて、開発の最終段階にかかっている。サーバーを外部のデータセンターに設置し、Web上から利用できるシステムを、この夏から提供予定だ。「現在のパッケージ版のシステムは、プロパティマネジメントを委託された不動産会社でのご利用を想定したシステムですが、ファンドのオーナーやアセットマネージャーなど、さまざまな立場の方もデータを見られるような仕組みを用意したいと考えました」(藤本氏)。従来はエクセルを使って作成し、電子メールの添付ファイルやFAXでやりとりしていた各種の報告書類を、リアルタイムでWeb上で見られるようになる。ASPサービスの開発には、Appeon for PowerBuilderを利用している。「パッケージ版のアプリケーションはPowerBuilderで開発しているので、インタフェイスなども全くそのままにWeb版に移行できました」(柘植氏)。サーバーを統合するために必要な企業マスターや帳票出力用テンプレート配布などの新規機能の開発を含め、移行にかかる工数はわずか3人月程度の見込みである。「現在のパッケージ版の開発には100人月ぐらいの工数がかかっていますから、これを一からWeb化すると2年ぐらいはかかったかもしれませんね」(藤本氏)。今後ソフト・ボランチでは、不動産管理業務に特化した強みを活かしながら、Webを活用したASPサービスの提供に力を入れたい意向だ。空室に入居者を見つけるリーシング業務や、物件検索システムなど、いくつかのシステムを今年度中に企画し、来年度以降開発していく。「ASPにすることで、プロパティマネジメントまでは必要ないが物件管理は手がけているという、従来よりも小規模なユーザーさんにも手頃な価格で提供できるようになります」(藤本氏)。SQL Anywhere Studio、PowerBuilder、Appeonは、不動産業界を熟知したSE集団の新たなチャレンジに、強力な武器となるに違いない。
 
■賃貸管理業務とプロパティマネジメントの統合環境を提供
 
「PMVolante for RealEstate」は、不動産ファンドの物件情報、契約情報、入金・支払いなどの日常業務と、ファンドオーナーやアセットマネージャーに対するレポート業務の両方をサポートする次世代不動産管理システムである。操作性を重視した画面と帳票、そして管理業務システムのデータを自動入力してエクセルで作成される月次レポートが特徴だ。一部の機能を制限して安価に利用できる「Function-Limited」バージョンもある。動作環境はWindows 2000またはXPで、サーバーを設置して複数台のクライアントから利用することも可能だ。また、空室情報をWebページ化して公開する「Web物件検索システム」や、自動的に仕訳データを作成して会計ソフトと連携する「財務会計連携オプション」なども、必要に応じて利用できる。ユーザー仕様に合わせたカスタマイズもすべてソフト・ボランチが行うため、きめ細かな対応が可能である。今夏には、従来のパッケージ版の機能のインタフェイスはそのままに、Webブラウザでシステムを利用できるASPサービスを開始する。利用者となるアセットマネージャーや投資家は、リアルタイムの物件情報を共有でき、よりスピーディな意思決定につながることが期待できる。また、ユーザー側でサーバーなどの環境を用意する必要がないため、導入がより簡単になるというメリットもある。小規模な個人オーナーの物件管理を中心に請け負っている不動産会社でも、手軽に利用できるサービスだ。
 
株式会社ソフト・ボランチ
〒160-0023
新宿区西新宿6-17-10 西新宿プライムビル
TEL.03-5339-6245(代)
http://www.s-volante.co.jp
 
2003年5月設立。自社開発の次世代不動産管理システム「PMVolante」シリーズを核に、IT活用サービス、ネットワーク構築サポート、Webコンサルティングサービス、システム構築サービスを展開する。不動産業界向けに特化したITコンサルティングサービスが特徴である。

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