Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 接続のトラブルシューティング

 
 
概要

- Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) のバージョン
- パーソナル・サーバとネットワーク・サーバ
- LAN 上の接続のトラブルシューティング
- サーバ・アドレス・キャッシング
- TCP/IP 接続障害のトラブルシューティング
- Host パラメータを使用したAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) の接続テスト
- Host パラメータとServerPort パラメータを使用したAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) の接続テスト
- Host、port、およびUseUDP=no パラメータを使用したAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) の接続テスト
- SPX またはIPX 接続障害のトラブルシューティング
- 適切な接続パラメータの使用


概要

本書では、ODBC またはEmbedded SQL を使用するクライアント・アプリケーションがAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere)に接続できない問題のトラブルシューティングについて説明します。
クライアント・アプリケーションからの接続試行では、まずデータベース・サーバを見つけてから、データベース、ユーザID、およびパスワードの情報を使用してそのサーバ上のデータベースに接続します。本書では、アプリケーションがデータベース・サーバを特定できない場合の問題と失敗した接続試行によってエラー”Database server not running”が返される場合の問題を重点的に扱います。
この項では、基本的な情報をいくつか示します。後続の各項では、TCP/IP ネットワーク上の接続やSPX またはIPX ネットワーク上の接続をトラブルシューティングする方法について説明します。



Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) のバージョン

本書では、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) のバージョン6 以降について説明します。一部の概念はSQL Anywhere5.5 にも適用されますが、SA 5.5 とAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) の類似点と相違点についての記述はありません。特に、各例は、大幅な変更を加えない限り、SA 5.5 では機能しません。
一部の例では、わかりやすくするためにAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7 の実行プログラム名を使用しますが、特に記述がない限り、すべての例が他のバージョンに適用されます。他のAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) のバージョンの場合は、実行プログラム名の7 をメジャー・バージョン番号に置き換えてください。

例とトラブル

シューティング手順の多くでは、dbping ユーティリティを使用しています。Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 6.0.0と6.0.1 には、このユーティリティが含まれていません。新しいバージョンには大幅なパフォーマンス向上をはじめとする数々の改良と修正が含まれているので、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 6.0.0 と6.0.1 のユーザは新しいバージョンへのアップグレードを検討する必要があります。アップグレードできないAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 6.0.0 および6.0.1 ユーザは、次のコマンド

     dbisql -c "uid=dba;pwd=sql;<ping connection parameters>"

を次のコマンドの代わりに使用することができます。

     dbping -c "<ping connection parameters>" .



パーソナル・サーバとネットワーク・サーバ

Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) パーソナル・サーバのdbeng7 は、ほとんどのプラットフォーム上のローカルTCP/IPリンクに加えて、すべてのプラットフォーム上のSharedMemory プロトコルをサポートします。ネットワーク・サーバdbsrv7 は、すべてのプラットフォームでSharedMemory とTCP/IP をサポートします。
Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) のバージョンとプラットフォームのいくつかの組み合わせでは、SPX、IPX、Netbios、NamedPipes の中の1 つまたは複数をさらにサポートします。アプリケーションとユーザの多くは、TCP/IPリンクが最も信頼性が高く効率的なネットワーク通信プロトコルであることを認識します。
アプリケーションは、パーソナル・サーバが実行されているマシンからのみパーソナル・サーバに接続できます。SharedMemory プロトコルとNamedPipes プロトコルは、クライアントと同じマシン上で実行されているサーバに接続する場合にしか使用できませんが、ネットワーク・サーバは任意のマシンからの接続をサポートします。



LAN 上の接続のトラブルシューティング

この項では、クライアント・マシンとサーバ・マシンの両方が同じローカル・エリア・ネットワーク(LAN)上にある場合に、クライアントがサーバを見つけるために必要とするデータベース・サーバ・コマンドライン・スイッチとクライアント接続パラメータについて説明します。


サーバの起動

両方のマシンが同じLAN 上にある場合は、ネットワーク・サーバ用の典型的なコマンドラインは次のようになります。

dbsrv7 -x <remote communication link> -n <server name> <database file>

例:
dbsrv7 -x tcpip -n my_asa_srv my_database.db

他のサーバやデータベースのコマンドライン・スイッチを指定することもできますが、-n と-x は接続を確立するときの関連スイッチです。
データベース・ファイルの前にある-n コマンド・ライン・スイッチでは、サーバ名が指定されます。-n オプションを指定しなかった場合は、最初のデータベースエイリアスの名前がAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバ名になります。データベース・エイリアスは、データベース・ファイルの後に-n スイッチによって指定され、パスや拡張子のないデータベース・ファイル名にデフォルトで設定されます。Windows では、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバのウィンドウ・タイトルにサーバ名が表示されます。
-x コマンドライン・スイッチでは、サーバに接続する際に使用できるネットワーク・プロトコルがリストされます。接続プロトコルは、プロトコル名の後に続く通信パラメータを使用することによって細かく調整できます。ただし、通常、これらのパラメータはサーバがクライアント・マシンと同じローカル・エリア・ネットワーク上にない場合にのみ必要となります。これらのパラメータについては、後で説明します。

クライアント側の接続パラメータ

通常、クライアント側で同じLAN 上のAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) データベース・サーバを見つけるには、接続パラメータServerName とCommLinks だけが必要となります。ServerName パラメータはデータベース・サーバの-n スイッチに対応し、CommLinks パラメータはデータベース・サーバの-x スイッチに相当するクライアント側のパラメータです。

たとえば、TCP/IP 上でAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバmy_asa_srv への接続をテストするには、次のような形式のコマンド・ラインを使用します。

     dbping -c "ServerName=my_asa_srv;CommLinks=tcpip"

また、ユーザID"fred"とパスワード"flintstone"を使用してmy_asa_srv 上の接続デフォルト・データベースをテストするには、次のような形式のコマンド・ラインを使用します。

     dbping -d -c "eng=my_asa_srv;links=tcpip;uid=fred;pwd=flintstone"

接続パラメータ名の大文字と小文字は区別されませんが、場合によっては、それらの値の大文字と小文字が区別されることもあります。たとえば、大文字と小文字が区別されるデータベースでは、UiD=fred は許可されますが、UiD=Fred は許可されません。
ServerName、EngineName、およびENG は同義語です。また、CommLinks とLinks も同義語です。

通信リンクが正常に起動することの確認

接続できない場合は、接続先の通信リンクがAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバとクライアントの両方で正常に起動できることを確認する必要があります。たとえば、サーバ名が同じである2 つのデータベース・サーバを単一のTCP/IP またはSPX ネットワークで起動することはできません。この場合、2 つ目のサーバは起動しますが、競合が存在する通信リンクを正常に開始できません。
サーバ上で起動された通信リンクを検証するには、次の手順に従います。

1. データベース・サーバ・ウィンドウに次の行がどちらも表示されていることを確認します。

     <communication link> を開始しています
     <communication link> は正常に開始しました

“<communication link> は開始されませんでした”という行が表示されている場合は、-z スイッチを使用してデータベース・サーバを再起動してください。この操作により、デバッグ情報が追加表示されます。このデバッグ情報は、リンクが起動しなかった原因を判断するのに役立ちます。

クライアントで起動された通信リンクを検証するには、次の手順に従います。

1. “Debug=yes;LogFile=<debug filename>”を接続パラメータに追加します。非Java Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 接続ダイアログの詳細タブには、これらの追加接続パラメータを設定する[ログ・ファイルにデバッグ情報を表示]チェックボックスがあります。Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバに接続を試みると、デバッグ・ログ・ファイルが作成されます。

2. ログ・ファイルを調べて、” <communication link> を開始しています”という行の後に”<communication link> は正常に開始しました”という行が続いていることを確認します。リンクが起動しなかった場合は、リンクが起動しなかった原因を判断するのに役立つデバッグ情報がログ・ファイルに記録されます。



サーバ・アドレス・キャッシング

Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバに接続すると、ローカル・マシン上のasasrv.ini(Linux の場合は.asasrv.ini)というファイルにそのサーバの名前とアドレスが保存されます。このファイルは、サーバ・アドレス・キャッシュと呼ばれます。サーバ・アドレス・キャッシングを利用すると、接続のパフォーマンスを向上させることができますが、その一方で接続のトラブルシューティングが複雑になる可能性があります。
この項では、サーバ・アドレス・キャッシュの操作について説明します。
サーバ・マシンが見つかり、その名前とアドレスがサーバ・アドレス・キャッシュに格納されると、後続の接続では、ネットワーク上の全マシンに対するネットワーク・ブロードキャストが不要になります。不要なブロードキャストをなくすと、ネットワーク・トラフィックが減少し、サーバへの配置が高速化される可能性があります。
通常、asasrv.ini ファイルは、Windows マシンのAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) win32 ディレクトリ内にあります。Linux マシンでは、そのファイルはasasrv.ini という名前が付けられ、通常はユーザのホーム・ディレクトリ内にあります。

ヒント
サーバ・アドレス・キャッシュ内にアドレスが存在すると、正しくサーバに接続するために必要となる接続パラメータが変わる場合があります。サーバ名とアドレスは、初回の正常な接続でキャッシュされます。その後の接続では、サーバ名に対するキャッシュ・アドレスを使用してサーバが検索されます。キャッシュされたアドレスに接続パラメータ以外の情報も含まれている場合は、アドレスがキャッシュされなかったために接続が失敗するとしても、その接続が成功することがあります。
トラブルシューティングの際には、成功した各接続の後にサーバ・アドレス・キャッシュを削除してください。

たとえば、クライアント・マシンとデータベース・サーバがブロードキャスト・ブロッキング・ネットワーク・スイッチによって分離されており、そのデータベース・サーバではTCP/IP 通信リンクを使用していると仮定します。サーバ・アドレスがキャッシュされていない場合は、少なくともTCP/IP ホスト・パラメータが指定されていない限り、クライアント・アプリケーションは接続できません。クライアント・アプリケーションが接続すると、サーバ・アドレスがキャッシュされ、TCP/IP ホスト・パラメータは不要になります。
アドレスがサーバ・アドレス・キャッシュ内にあるために接続が現時点で機能している場合であっても、必要なパラメータがすべて指定されていない場合は接続上の問題が起こることがあります。接続試行時にターゲットのデータベース・サーバが動作していない場合は、サーバ・アドレス・キャッシュからそのサーバが削除されるため、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバが再度動作してもアプリケーションは接続できません。
また、まったく同じ設定のままアプリケーションを別のマシンに移動した場合も、接続障害が発生することがあります。
サーバ・アドレス・キャッシュ・ファイルは便利ですが、サーバに接続するためにキャッシュ内にあるアドレスに依存すべきではありません。ユーザは、アドレスがキャッシュ内に存在しなかった場合に必要となるパラメータを常に指定する必要があります。それにより、キャッシュ内のアドレスが無効になった場合(たとえば、サーバを別のマシンに移動した場合や削除した場合、サーバが動作していないときに接続試行を行った場合など)でも、接続パラメータによってサーバに接続することができます。



TCP/IP 接続障害のトラブルシューティング

以下の手順では、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) のdbping ユーティリティを使用してAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere)サーバを見つける方法を示します。dbping を利用すると、指定した接続パラメータを使用してAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバに接続することができます。-c パラメータだけをdbping に渡すと、dbping はAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバを見つけますが、データベースには接続しません。
Windows 2000 の場合に必要となるEBF
Emergency Bug Fixes(EBF)では、Windows 2000 上のTCP/IP でAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) クライアントまたはサーバを使用する場合の問題がいくつか修正されています。これらの修正が含まれていないバージョンのAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) をWindows 2000 で実行すると、TCP/IP 通信に関する問題が生じる場合があります。

Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) のバージョン Windows 2000 用の修正を得るために最低限必要となるEBFビルド番号
6.0.3 3094
6.0.4 3701
7.0.0 503
7.0.1 1155


手順1:情報を収集する

Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) のTCP/IP 接続障害をトラブルシューティングするためには、次の情報が必要となります。

・ Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバ・マシンのIP アドレスとホスト名
・ Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバが使用しているポート番号
・ Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバ名

以下の情報も役立ちますが、必須ではありません。

・ クライアント・マシンとAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバ・マシンはそれぞれ異なるTCP/IP サブネット上にあるか?
・ クライアント・マシンとAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバ・マシンの間にファイアウォールが存在するか?
・ クライアント・マシンとAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバ・マシンの間にブロードキャストブロッキング・ネットワーク・スイッチが存在するか?

Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバ・マシンのIP アドレスとIP ホスト名を確認するには、次のコマンドを使用します。

オペレーティング・システ
コマンド 追加情報
Windows 98/Me/NT/2000 Ipconfig /all "Windows NT IP Configuration"セク
ションにある"Host Name"の行と、ア
ダプタ・セクションの"IP Address"
を参照
Windows 95 Winipcfg
Solaris およびLinux Ifconfig -a Hostname ifconfig アダプタ情報の"inet"番号
を参照(現在のマシンを参照する場合
に使用できる127.0.0.1 は無視する)

デフォルトでは、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) は2638 を自身のポート番号として使用します。dbsrv7 コマンド・ラインで -x tcpip(port=xxxx)を指定すると、デフォルト設定は無効になります。同じマシン上で2 つのAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバが実行されている場合は、その両方で同じポート番号を使用することはできません。Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7.0.0 以降では、デフォルトのIP ポート番号が使用中の場合は、利用可能なポート番号をサーバが自動的に選択します。Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバのIP アドレスまたはポート番号が不確かな場合は、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバを停止し、dbsrv7 コマンド・ラインに-z を追加してそのサーバを再起動してください。

サーバ・ウィンドウには、
Starting UDP listener on IP address 172.31.142.196:2638
という形式の行が1 行以上表示されます。

これらの行には、サーバが受信待機しているIP アドレスとポートが示されます。アドレス127.0.0.1 はループバック・アドレス(特殊なアドレス)であることに注意してください。これは、任意のマシンでそのマシン自身を参照する場合に使用できます。アドレス0.0.0.0 も特殊なアドレスです。

Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 6.0.0-6.0.2 for Windows は、
”My IP address is 172.31.142.196”
というメッセージを表示します。

また、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7 以降でも、デフォルトのIP ポート番号が使用中の場合は
” Unable to start on default port; starting on port 49152 instead”
というメッセージを表示します。


手順2:ping を使用してTCP/IP 設定をテストする

クライアント・マシンとサーバ・マシンのTCP/IP 設定と基本的なネットワーク設定が正しいことを確認するには、次の手順に従います。

1. クライアント・マシンで、コマンド・プロンプトから次のコマンドを実行します。

ping <IP Address>

たとえば、サーバ・マシンのIP アドレスが172.31.149.196 の場合は、次のコマンドを実行します。

ping 172.31.149.196 .

2. このコマンドの実行に失敗した場合は、サーバ・マシンまたはクライアント・マシンのIP 設定、もしくは、ネットワーク・ケーブル接続などのネットワーク設定に問題があります。問題を修正し、ping が正常に終了することを確認してから、次に進んでください。


手順3:Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) の接続をテストする

この手順と後続の手順では、dbping を使用してAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバへの接続を試みます。dbpingを使用すると、アプリケーションやODBC の設定に関する潜在的な問題はすべて解消されます。
以下の手順は、次のように構成されています。下記の手順は、サーバに接続するための基本手順です。ただし、下記の手順には、修正するために必要となる特定の情報がない場合があります。それでも、ホスト、サーバポート、および他のパラメータ情報は変わることがあるため、下記の基本手順を試すことをおすすめします。また、接続がうまくいかない場合は、より具体的な情報を使用したテストに移ってください。

dbping を使用して接続を試みるには、次の手順に従います。

1. サーバ・マシン上でAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバが実行されていることを確認します。

2. クライアント・マシンで、コマンド・プロンプトから(Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 6 の場合のみ)、クライアント・プロファイルが存在しないことを確認します。クライアント・プロファイルが存在する場合は、パラメータを付けずにdbstop を実行するとクライアント・プロファイルが削除されます。

3. SQLCONNECT 環境変数が設定されていないことを確認します。Windows では、SET SQLCONNECT=を実行します。Linux の場合は、これを行うコマンドは実行中のシェルによって異なります。

4. 次のコマンドを実行します。

dbping -c "eng=<Adaptive Server Anywhere server name>;links=tcpip"

例:

dbping -c"eng=my_asa_srv;links=tcpip"

5. 正常に終了した場合は、「適切な接続パラメータの使用」に進んでください。このコマンドは、ほとんどのLAN 設定で正常に終了します。



ホスト・パラメータを使用したAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) の接続テスト


TCP/IP パラメータを使用したテストには失敗したものの、手順2 は正常に終了した場合は、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) TCP/IP Host パラメータを指定する必要があるかもしれません。クライアント・マシンとAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバ・マシンのTCP/IP サブネットが異なる場合や、クライアント・マシンとAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバ・マシンの間にファイアウォールまたはブロードキャストブロッキング・ネットワーク・スイッチがある場合は、Host パラメータの指定が必要になることがあります。

より具体的にテストを繰り返します。links=tcpip (Host=<IP address or host name>)を使用してください。

たとえば、次のように使用します。

     dbping -c "eng=my_asa_srv;links=tcpip(Host=172.31.149.196)"

ホスト・パラメータでは、IP アドレスの代わりにホスト名を指定することもできます。IP アドレスは機能して、ホスト名が機能しない場合は、TCP/IP 設定に問題があるかもしれません。ping <host name>の実行に失敗した場合は、ホスト名にTCP/IP 設定の問題があります。



Host パラメータとServerPort パラメータを使用したAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) の接続テスト

ホスト・パラメータを使用したテストには失敗したものの、手順2 は正常に終了した場合は、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) TCP/IP port パラメータを指定する必要があるかもしれません。この操作は、サーバがデフォルトのポート番号を使用していない場合にのみ必要となります。Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7 については、サーバがデフォルトのポート番号を使用していない場合、およびサーバがHP またはNetWare 上で実行されている場合にのみ、この操作が必要となります。より具体的に手順を繰り返します。
links=tcpip(Host=<IP address or host name>,port=<port number>)
を使用してください。

たとえば、次のように使用します。
dbping -c "eng=my_asa_srv;links=tcpip(Host=172.31.149.196;port=49152)"

ポートの代わりにアイテムServerPort を使用することもできます。



Host、port、およびUseUDP=no パラメータを使用したAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) の接続テスト


Host パラメータとServerPort パラメータを使用したテストには失敗したものの、手順2 は正常に終了した場合は、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) TCP/IP UseUDP=no パラメータを指定する必要があるかもしれません。
デフォルトでは、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) クライアントはUDP パケットを使用してサーバを検索します。
クライアント・マシンとAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバ・マシンの間にファイアウォールが存在する場合は、そのファイアウォールによってUDP パケットがブロックされることがあります。
Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) TCP/IP パラメータのUseUDP=no を指定すると、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) は、UDP パケットではなくTCP パケットを厳密に使用します。

より具体的にテストを繰り返します。

links=TCPIP(Host=<IP address or host name>,port=<port number>;UseUDP=no)

を使用してください。たとえば、次のように使用します。

dbping -c "eng=my_asa_srv;links=TCPIP(Host=172.31.149.196;port=49152;UseUDP=no)"

依然として接続できない場合は、「通信リンクが正常に起動することの確認」を参照してください。
また、UseUDP の代わりにUDP を使用することもできます。Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7.0.2 以降では、UseUDP パラメータは非推奨となっています。
UseUDP=no の代わりにDoBroadcast=None パラメータを使用してください。



SPX またはIPX 接続障害のトラブルシューティング

Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 6 では、SPX をサポートしていません。IPX は非推奨であり、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) の今後のバージョンではサポートされませんが、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7 ではSPX とIPX の両方をサポートしています。一般にSPX はIPX よりも効果的で信頼性も高いため、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) 7を使用する場合はIPX ではなくSPX を使用することをおすすめします。
Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) は、NetWareファイル・サーバのバインダリまたはIPX ブロードキャストを使用して、名前でAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere)サーバを検索します。Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) は、ほとんどのLAN 上で追加パラメータなしにサーバを見つけることができる必要があります。
Host パラメータを使わずに接続することができない場合は、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバのアドレスを知る必要があります。このアドレスを検索するには、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバを停止し、dbsrv7コマンド・ラインに-z を追加してそのサーバを再起動します。

サーバ・ウィンドウには、次のような行が表示されます。

My IPX/SPX host address is 0:192:79:121:212:95/0:0:0:2 .

このアドレスをIPX またはSPX Host=<server address>パラメータとして指定してください。

たとえば、次のように指定します。

dbping -c "eng=my_asa_srv;links=spx(host=0:192:79:121:212:95/0:0:0:2)"

依然として接続できない場合は、「通信リンクが正常に起動することの確認」を参照してください。



適切な接続パラメータの使用

Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバに接続するために必要な接続パラメータの用意ができたら、そのサーバ上のデータベースに接続を試みることができます。データベースに接続するには、Integrated Logon を使用していない限り、UserID とPassword のパラメータが必要となります。
また、DatabaseName パラメータが必要になる場合もあります。
TCP/IP 接続を想定している[ODBC Data Source Configuration]ダイアログの[Database]タブでは、Adaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) サーバ名を[Server Name]に入力し、[Network]タブでは、TCP/IP をチェックして必要なAdaptive Server Anywhere (SQL Anywhere) TCP/IP オプションを入力します。

次の例では、my_asa_srv という名前のサーバに接続するために、サーバ名としてmy_asa_srv を指定し、TCP/IP をチックして、追加TCP/IP オプション

”Host=172.31.149.196;port=49152”

を指定しています。

dbping -c "eng=my_asa_srv;links=TCPIP(Host=172.31.149.196;port=49152)"

BACK : 技術情報(TechDoc)のトップページ
 
このウインドウを閉じる
 
Copyright 2008 iAnywhere Solutions, Inc.